初心者が中華カーボンフレームでバラ完【その3】ヘッドセット(やり直し)、ハンドル、シート、ブレーキの取り付け
前回 ↓ に続いてヘッドセットやり直し、ハンドル、シート、ブレーキの取り付けまで進みました。
動画を上げていますのでよろしければ御覧下さい。
初心者が中華カーボンフレームでバラ完【その3】ハンドル、シート、シートポスト、ディスクブレーキ
お話しているのは全て「個人の感想」です(笑)。
参考にして同じように作業をすると、もしかすると何か困った事になるかもしれません。あらかじめご了承願います。m(_ _)m
↓ 中華パーツの購入はこちらのAliexpressさんから。
フレーム、ホイール、ハンドル、ステム、シート、ライト、ボトルケージ、バッグ、バイクウェア等、検索してみてください。 レビューをしっかり読んで選ぶと失敗を減らせます。
【目次】
今回の素人作業時間:約2時間45分
ベテラン想定時間 :20分
1.ヘッドセットの取付(やり直し)
(1)トップキャップボルトへのグリス塗布
ヘッドセットのガタつきが気になったので、もう一度やり直します。
トルク管理のため、トップキャップボルトにグリスを塗ります。
(2)滑り止めに松脂を塗ってみました
カーボンフレームを組むときはこれを塗るのがお約束みたいですね。
こういうカーボンの滑り止めケミカルを買わずに、何か代替品を使えないか考えてみました。
滑り止めといえばタンマ。器械体操で使う炭酸マグネシウムの粉です。調べるてみると、これはただ水分を吸わせて手汗を防いでいるだけで、材料そのものには摩擦を増やす効果は無いようです。
続いて思いついたのがロジン。野球のボールが滑らない様に、投手が足元にから拾ってニギニギしている白い粉の入った袋がロジンバッグです。ロジンは英語ではRosin。松脂のことです。ロジンバックの粉は松脂だけではなく炭酸マグネシウムに混ぜてあるそうです。
確かに松脂は手に付くとベトベトで取れません。バイオリンの音が出るのも弓の毛に松脂を塗って摩擦を増やしているからですね。
そこで手元にあった松脂を塗ってみました。相手が固すぎてうまく塗れませんが、まあお試しなので良しとします。
(3)トップキャップのトルク管理
ボルトの締付トルクは一般的な推奨値があるようです。
自転車の教科書から ミスミさんのサイト
(強度区分8.8ボルト)
M4:2.7N・m 2.3N・m
M5:5.4N・m 4.6N・m
M6:9.2N・m 7.8N・m
トップキャップのボルトは5mmのレンチなので普通ならM6なんですが、見るともう少し太いねじ部になっていました。
とはいえ9Nとかで締めると壊れそうなので6~7N・mで締めました。
教科書に書いてあったもう一つの基準は、止まったところからさらに8分の1回転というものです。この基準で締めても大体7N・m位になります。
2.ハンドルの取り付け
(1)ハンドル
購入したハンドルはこちらです。
アマゾンでも同じものが買えますがアリエクの方が大体安いですね。
納期は掛かりますが。
最大トルクの指示があります。あくまで最大です。
4本締めのステムで6N・m
2本締めのステムで8N・m
4本締めなので6N・m。実際に締めるとちょっと壊れそうで怖いです。
5N・m位でも良さそうです。
2N・mでも体重を掛けてくるっと回ってしまうということは無かったです。
ちょっと緩めでも少しずつずれる程度なので、5N・m位で締めてずれるようなら増し締めしたいと思います。いきなり強く締めすぎて折れてしまったら余計に危ないですし。
あまり適当に締めるとクランプの上下の隙間が偏ってしまうので、なるべく均等になるように目視でバランスを取りながら締めました。
ハンドルには位置合わせがしやすいように目印が付けてあります。
しかし、ハンドルの外側から測ってみると左右で1~2mm差がありました。
結局は実測基準で合わせ直しました。
(2)ステム
こちらも5N・mで締め付け。ステムとタイヤの角度は、ハンドルを取り付けてからの方が調整し易かったです。
トルクレンチ Wiggleさんで購入
アマゾンでもよく似たレンチを買えるようです。
おそらく製造元は同じでWiggleさん向けにOEMしているものかと思います。
ステムはこちらの80mmを使いました。
3.シートの取付
(1)シートの重さを量る
余っていたシートを使います。重さ295g。重い。
(2)シートをポストに取り付け
シートポストのやぐらの仕組みが分からずちょっと苦戦。
動画を見ても分からなくても、やれば分かるので大丈夫です(笑)
a. シートのフレームロッドを上から押さえる部分
b. 下から支える部分
c. さらにその下から突き上げる向かい合わせのくさび ×2
の3パーツの構成になっていました。
cのくさびを締め上げるねじを外してから、aをずらしてやっとロッドを挟めました。
この3パーツの周りはシートポストのカーボンがぐるっと回り込んでいるので、無茶苦茶に締めると壊れます。
ですので、ここにも最大トルク6N・mの表示。
(3)シートポストをシートチューブへ
シートポストが入るところはこうなっています。
トップチューブに見えているボルトを締めると中のくさびがシートポストを押さえつけます。
くさびと取り出すとこんな構造です。
この「くさびセット」は、キャップボルトの頭を逃がし穴に引っ掛けているだけで、シートポストの中に落ちない様にしています。
ですので、このビスを締めすぎると、丸ごとシートポストの中に落ちます。
緩めすぎてもバラバラになってシートポストの中に落ちます。絶妙な設計です。
パーツにはナンバーが振ってあって、きっちり作ってる印象ですね。
くさびが邪魔なので、ビスを持ってくさびを外へ動かしつつ、ポストを斜めに挿入。
ここは最大トルクの表示がありませんが、6N・mで締めておきました。
専用のポストはくるくる回らないので方向の調整が要らないので楽ですね。
他のポストには交換できませんが。
股下から計算したシート高さが714mmなのでそれに合わせました。
シート高さ:BB中心からシートの上面までの直線距離
シート高さ=股下×0.86 (初心者0.86~上級者0.88)
シートが付いたので、またがってみました。
コントロールレバーが付いていないのでイマイチ分かりませんが、大体のフレームサイズとしては違和感ないかなあというところです。
4.ブレーキの取付
(1)ブレーキディスクを脱脂
YouTubeのコメント欄で脱脂をした方がいいという情報を頂きましたので、手持ちのアセトンで脱脂をしました。
溶剤がプレーキパッドに付つくと悪影響がありそうなので、ブレーキを付ける前に脱脂しています。1分も経てば溶剤は蒸発してしまうので影響は無いと思います。
ちなみにアセトンは3Dプリンタで使うABS樹脂を接着するために購入したものです。
体に悪い溶剤なのでお勧めしません。
普通はシンナーかアルコール、ブレーキを付けた後なら洗剤で十分だと思います。
ウェットティッシュなんかでもいいかも。
(2)後ろのブレーキ取付
後ろのブレーキから取り付けます。
取り付けビスが締めにくいので、トルクレンチの「エクステンション」を使おうとしたら「長い5mmソケット」でした。延長には使えません。
なぜ5mmだけ? 自転車には5mmを遠くから締めないといけない場所があるんでしょうか?
ディスクとの隙間を均等にする必要があるので、上から見て目視で調整。
フレーム側のブレーキ取付穴は長穴になっているので、その幅の範囲で調整ができました。
前ブレーキの取り付けまで進んでから手でブレーキを掛けられることに気づきました。
(3)前のブレーキ取付
重さを量りました。大体160g位。
ここでワイヤー取付部分を掴んでブレーキを掛けた状態を作れることに気づきました。センター合わせが楽です。
でも、あとで確認したら結局少しずれてました。難しい。
トルクは5N・mにしておきました。
(4)トルクに関する考察
ここまで作業してきて、レンチで4mmは4~5N・m、 5mmは6~7N・m位で締める指示が多いことが分かりました。
手で締めた感触もそれ位が適当に感じます。といいますか、それ以上締めると壊れそうです。
上に挙げた標準トルクを普通のキャップボルトで当てはめると
教科書 強度区分8.8
M4 : 2.7N・m 2.3N・m
M5 : 5.4N・m 4.6N・m → レンチ4mm → 4~5N・m
M6 : 9.2N・m 7.8N・m → レンチ5mm → 6~7N・m
になりますので、ほぼ、強度区分8.8のボルトの標準トルク相当~やや弱めです。
とはいえ、カーボンだと標準トルクまで締め上げるさえ危険な感じがします。
締めすぎてカーボンが割れても危険、緩くて回ったり抜けたりしても危険なので難しいですね。
※ 特にこの辺りの数字、参考にするのは自己責任でお願いします。
(5)オーバートルクでねじをナメました
この後、後ブレーキの位置を再調整しているときに、アルミのブレーキスペーサーのねじがナメてしまいました。
手でいい感じに締めてから、トルクレンチで念のためトルク4.5で増し締めするとヌメっといきました。ビスが短め(とはいえ4山位は掛かっていた)だったのも災いしたようです。
やはりアルミなのでM5で4N・m位が限界の様です。
ちなみにボルトの表示は8.8でした。「ちょっと弱めの高張力ボルト」グレードですね。
ビスを延長するか、ナットを入れるなどして、ごまかす必要があります。
前でなくて良かったです。前だとフォークごと交換です。
今回も作業内容の割りに長くなってしまいました。
最後までご覧頂きありがとうございました。
とりあえずこれで十分なサイクルコンピュータ2種
イチオシ中華カーボンホイール